【第4回 インタビュー】自覚症状と早期発見

宮崎裕子先生 プロフィール

五反田みやざき内科クリニック
院長: 宮崎裕子先生
HP:https://www.gotanda-naika.com
糖尿病治療のほか、電話・オンラインによるメディカルダイエット外来や、病院専売の美容コスメの取り扱いもあります

横浜市立大学卒。
資格:医学博士・総合内科専門医・糖尿病専門医・産業医。
所属学会:日本内科学会・日本糖尿病学会・日本内科学会・抗加齢学会・禁煙学会等。甲状腺・下垂体・副腎・性腺などの内分泌疾患の診断、治療を行う。糖尿病については、妊娠糖尿病や1型糖尿病から2型糖尿病を含む生活習慣病、その合併症管理などを総合的に行い、漢方やダイエット治療なども行っている。

宮崎裕子先生

糖尿病の症状と言われるものには、下記のようなものがありますが、実際には無症状のまま進んでいくことがほとんどです。

  • 口が渇く
  • 尿の量や回数が増える
  • 食べているのにやせていく
  • 目のかすみ
  • 倦怠感
  • 手足のしびれ

ただし、これらの症状があったとしても、糖尿病が原因で起きていると特定することは難しいので、もし気になる症状があれば、まずは検査をしてみることをおすすめします。

糖尿病というのは、現在の定義においては、一度罹患したら完治しない病気ですが、適切な治療を行うことで、薬を使う必要がなく血糖値も正常で落ち着いている状態、いわば「寛解」に持っていくことはできます。しかし、何かのきっかけで急にガクンと数値が悪くなるリスクを持っている状態に変わりはありません。また、糖尿病を発症するということは、それだけすい臓もダメージを受けているわけで、その状態から元に戻すのは難しくなります。

しかし、糖尿病になる手前の段階で病院に来ていただけたら、早めに手を打つことができるので、食事や運動など生活習慣を見直すことで元の状態に戻すことも十分可能になります。そうすれば、薬による治療を避けられるため、お体の負担だけでなく、医療費などの経済的な負担も少なくてすみます。また、保険に入る際も「糖尿病」と病名がついてしまうと、制限がかかることもあるため、早期発見で早めに手を打つことはあらゆる面でメリットがあるのです。

一般的にいわゆる“糖尿病予備軍”とされる期間は数年から10年ほどといわれ、それだけゆっくり進んでいく病気なわけです。そのため、糖尿病になる前の疑わしい段階でいち早く見つけて、薬がいらない状態をキープし、できれば一生涯、糖尿病と診断されないでほしいというのが我々医師の願いなので、基準値内であっても数値が高めだなと思ったら、一度、糖尿病の専門医を訪ねていただければと思います。

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