【第5回 インタビュー】 血糖スパイク

宮崎裕子先生 プロフィール

五反田みやざき内科クリニック
院長: 宮崎裕子先生
HP:https://www.gotanda-naika.com
糖尿病治療のほか、電話・オンラインによるメディカルダイエット外来や、病院専売の美容コスメの取り扱いもあります

横浜市立大学卒。
資格:医学博士・総合内科専門医・糖尿病専門医・産業医。
所属学会:日本内科学会・日本糖尿病学会・日本内科学会・抗加齢学会・禁煙学会等。甲状腺・下垂体・副腎・性腺などの内分泌疾患の診断、治療を行う。糖尿病については、妊娠糖尿病や1型糖尿病から2型糖尿病を含む生活習慣病、その合併症管理などを総合的に行い、漢方やダイエット治療なども行っている。

宮崎裕子先生

糖尿病の手前の段階、いわゆる糖尿病予備軍といわれる人に多くみられるのが、食後に血糖が急上昇した後、急降下する「血糖スパイク」といわれる症状です。これは耐糖能障害(耐糖能異常)とも呼ばれ、インスリンの効きが悪くなることで、文字通り、体が糖に耐える力が弱くなっている状態を指します。

食後血糖値
食後血糖値

出典:糖尿病ネットワーク ※引用 テルモ「健康ガイド」より
https://dm-net.co.jp/urine/2010/05/0202.php

正常な人の場合、食後でも血糖値の波は緩やかです。しかし、食後高血糖の人は、食後にインスリンの必要量が増えるものの、インスリンを出す量が追いつかず、血糖値がグンと上がります。特に早食いやどか食いで一気に炭水化物を体に入れると、一気に血糖値が上がりインスリン不足に陥るため、その間、血糖値は上がり続けてしまうわけです。そして、インスリンの量が追いついたころには血糖値が下がりすぎ、血糖スパイクを起こしてしまうのです。果糖の入ったジュースや清涼飲料水、お菓子などをとった場合も同様に血糖スパイクが起こりやすくなります。

こうした血糖値の乱高下は血管にダメージを与え、動脈硬化を引き起こし、気づかぬうちに「心筋梗塞」や「脳梗塞」のリスクを高めてしまいます。特に男性の場合、糖尿病の手前である耐糖能障害(耐糖能異常)の段階でも、動脈硬化が進んでしまうリスクが高いとされているため注意が必要です。

血糖スパイクを起こしている人でも、食後数時間が経過すれば血糖値が正常に戻るため、一般的な空腹時の健診では異常が発見されません。こうした状態がさらに進むと空腹時でも血糖値の帳尻が合わなくなり、一般の健診でも見つけられるれっきとした糖尿病となっていくわけです。

血糖スパイクの人の場合、食後1~2時間ほどすると眠気が、そして3時間以上経過すると頭痛や吐き気、めまいなどを起こすことがあります。これは食後に急上昇した血糖値が大量のインスリンにより急降下することで起こる「低血糖」が原因です。若い女性でもこうした症状が起こることがあり、飴をなめて低血糖を解消したら症状がおさまったということもあります。そのほか、手が震えたり、冷や汗をかいてドキドキするという症状が出ることもあります。

インタビュー一覧